● 計画策定の趣旨

茅野市では「第1次茅野市障害者保健福祉計画」「第2次茅野市障害者保健福祉計画」をもとに実施してきた施策の成果や課題等を踏まえ、生活上何らかの障害のある市民の皆さんの様々なニーズに適切に対応するため、平成30年度(2018年度)からの新たな計画となる「第3次茅野市障害者保健福祉計画」を策定し、障害のある方がその人らしく自立し、安心して住み続けることができる地域づくりを目指します。

 

● 計画の性格及び位置づけ 

本計画は、障害者基本法第11条第3項の規定に基づく「障害者のための施策に関する基本的な計画(市町村障害者計画)」と、障害者総合支援法第88条第1項に基づく「国の基本指針に即して障害福祉サービス、相談支援及び地域生活支援事業の提供体制の確保に関する計画(市町村障害福祉計画)」、及び、児童福祉法第33条の20第1項に基づく「国の基本指針に即して障害児通所支援、及び障害児相談支援の提供体制の確保その他障害児通所支援、及び障害児相談支援の円滑な実施に関する計画(市町村障害児福祉計画)」を一体化して作成する計画です。茅野市における障害のある人(障害のある子どもを含む)に関する施策を総合的に推進するための基本指針であり、また、障害福祉サービス等の必要量と見込量の年間の推計、必要量の確保に関する計画になっています。

 更に、本計画は国の「第4次障害者基本計画」及び長野県の「長野県障害者プラン2018(仮)」を上位計画にし、茅野市の「第5次総合計画」及び「第3次福祉21ビーナスプラン(茅野市地域福祉計画)」の障害福祉の分野を担い、「茅野市健康づくり計画」「茅野市高齢者保健福祉計画」「茅野市こども・家庭応援計画」等関連計画との整合性を踏まえて策定します。

 

● 計画の進捗管理

本計画に基づく施策を推進するために、庁内の関係部課相互の連携を図るとともに、庁外の関係機関との連携を強化し総合的な検討や計画的な実施に努めます。また、庁内の推進体制として「茅野市障害福祉推進会議」を設置し、障害者施策担当課だけでなく、庁内全体として障害のある方への支援に取り組みます。計画の進捗状況や数値目標等の実現に向けて、「福祉21茅野障害福祉部会」を「茅野市自立支援協議会」と位置づけ、計画の点検・評価による進行管理と具体的課題の検討を行います。計画の推進のためには、茅野市自立支援協議会と茅野市が力を合わせて活動することが必須です。「茅野市らしい福祉」を目指して、自立支援協議会の活性化に向けて課題の投げかけやネットワークづくりの支援を行います。

 

● 計画の理念

本計画は上位計画である「福祉21ビーナスプラン」に提示されている「4つのねがい」を目指す姿と捉え、基本理念とします。

1 一人ひとりが主役となり、「共に生きる」ことができるまち

2 生涯にわたって健やかに、安心して暮らせるまち

3 ふれあい、学びあい、支えあいのあふれるまち

4 すべての人にとって豊かで快適に生活することができるまち

 

● 計画の目標

1 自己実現と社会参加への支援

障害に対する誤解や偏見を解消し、障害のある人が住み慣れた地域で生涯にわたって安心して生活することができる地域づくりをめざし、継続的でよりきめ細やかな普及啓発活動の取組を進めます。福祉教育を充実させ、子どものときから障害についての理解を進め、障害のある人と健常者がお互いに認め合い理解しあえるよう、心のバリアフリーに取り組むとともに、障害のある方自身も「その人らしく」「生きがいと役割をもって」「当たり前の存在として」より積極的に社会参加できるよう、支援活動の充実を図ります。また、障害のある方の社会参加を保障するため、生活環境(建物・交通等)、情報、制度など様々な場面において、障害の有無に関わらず、全ての市民が平等に社会参加と自己実現することのできる、安心・安全なまちづくりを進め、地域社会に対するアクセスのしやすさ、利用しやすさ(アクセシビリティ)を追求します。

 

2 地域を基盤とした自立生活の支援

障害のある方もない方も、共に身近な地域の中で豊かな自立生活を営み、生涯を通じて安心した生活が営めるよう、一貫して支援する総合的支援体制を確立します。障害のある人の多用なニーズに対応するため、一人ひとりの障害特性や生活の個人差に合わせた丁寧なケアマネジメントが必要とする全ての障害のある人に提供できるよう、保健福祉サービスセンターの体制整備をより充実します。一人ひとりの個性が大切にされ、いきいきと暮らしていけるよう、支え合いの「福祉でまちづくり」を推進します。

 

● 主な課題

茅野市において、重点的に取り組む必要のある課題は次の5つです。

 

1 福祉サービスの更なる充実と体制整備(生活支援)

 障害者総合支援法の施行による障害福祉サービスの充実により、給付事業の利用はますます増加しています。施設から地域への移行の動きが徐々に鈍くなる中、グループホームの整備等が更に求められる一方で、親がいなくなっても自分のうちでずっと暮らし続けたいといった声も聞かれています。また、サービス利用に際して相談支援専門員の役割が更に重要となっているにも関わらず、まだまだ人員が足りない現状です。一人ひとりのニーズに合わせ、福祉サービスの更なる充実と体制整備が求められます。

 

2 出生時から成人までの一貫した個別支援(保育・療育・教育)

 切れ目のない一体的な支援の必要性が謳われる中で、18歳から20歳までの狭間の支援が不十分との声が多く聞かれます。関連部署との連携を強力に進め境目のない支援体制を構築し、子どもの成長に合わせたスムーズなサービス利用などの相談体制の充実が求められます。

 

3 障害の特性に応じた就労・就業支援の強化(雇用・就業)

 就労移行支援、就労継続支援を行う事業所の充実により、ますます多様になる障害者のニーズに応える体制を整えていく必要があります。障害のある人にとっての就労は、所得保障としての側面はもちろん、生きがいでもあるとの声があります。一方でたくさん働いて十分な賃金を得ることばかりでなく、その人らしく働くための多様な就労の場が必要です。意欲と能力に応じてそれぞれに適した仕事ができるよう、きめ細やかな支援が求められます。

 

4 障壁のない、移動しやすい、快適な地域生活環境の推進(移動支援・生活環境)

 ニーズ調査からは障害の種別を問わず「送迎」に関する多数の要望や意見が出されています。茅野市の地理的な特徴によることも大きいですが、コミュニティバスを含めた公共交通機関の運航計画が障害者のニーズに合っていない可能性があります。ニーズの全てに対して、公共交通機関の仕組みだけで答えていくことは難しいですが、移動保障としての「送迎」も含めて、生活環境のバリアフリー化をより一層図り、多用な移動手段の充実が求められています。

 

5 実際の緊急時を具体的に想定した防災対策(防災・減災)

 平成23年(2011年)3月に発生した「東日本大震災」以降、災害発生時の対応については、障害種別に関係なく、当事者・家族とも大きな不安を抱えています。情報提供のあり方、実際の避難経路や避難の方法・安否確認、避難所生活等全ての面で、実態に即した具体的な対応が必要です。

 

その他、茅野市が取り組む必要のある課題は次の5つです。

 

6 地域社会への参加と余暇活動の充実(社会参加)

 障害があっても立ち寄れる居場所の確保や、週末の過ごし方として家族以外の人たちとの多様な経験の要望等、ニーズの多様化が伺えます。当事者の社会参加の充実は、当事者の自己実現だけにとどまらず、地域における障害理解にもつながります。また、地域の活動ばかりでなく、スポーツ、レクリエーション・文化活動など様々な活動の充実が求められています。

 

7 将来を見据えた権利擁護制度等の周知・活用(人権・権利擁護)

 成年後見制度等への関心は高い一方で、親が健在の間は不要との考えも見受けられます。また、親の高齢化に直面する中で、当事者自身が権利擁護の必要性を感じ始める事例も現れています。合理的配慮が求められる中具体的で丁寧な制度周知が求められています。

 

8 啓発学習活動の推進(啓発・広報)

 茅野市全体ではなく、より身近な地域での啓発活動や福祉教育を求める声が多い中、幼少期からの学習が福祉意識の向上につながると考えられます。地域における障害理解が進むことが、例えば災害時の支援体制の充実や、合理的配慮への理解などに直接関わる重要な課題となります。様々な角度や媒体を利用して、障害理解が進むよう関係機関との連携が必要です。

 

9 情報バリアフリーの推進(情報・コミュニケーション)

 障害のある人だけでなく、地域全体のコミュニケーションの希薄化が一段と進んでいます。障害のある人と健常者との情報格差が生じないよう充分な支援が求められると同時に、福祉のまちづくりを視点とした小地域活動が必要です。

 

10 保健・医療の充実(保健・医療)

 特にかかりつけ医を持たない方だけでなく、かかりつけ医のいる方でも、身近な医療相談や情報提供の窓口が求められています。