*検討の方向

急激な超高齢社会の進行と、認知症高齢者の増加や高齢者のみ世帯、一人暮らし高齢者世帯の増加といった家族形態の変化や社会保障費の財源の圧迫など、日本全体が高齢者を支え続ける事が難しくなってきています。

茅野市においても、高齢者の支え手である若い世代が減少していくことで、医療保険や介護保険を支える財源が少なくなっている状況です。過度な病院頼みから抜け出し、生活の質(QOL)の維持・向上を目標として、住み慣れた地域で人生の最後まで、自分らしい暮らしを続けることができるように、医療や介護のみだけではなく、住まいや生活支援や支え合いなどが連携をしあえるまちづくりを考えなくてはなりません。

 

*検証と課題

生活支援サービスの主体は、あくまで地域の住民なのですが、これまで茅野市における生活支援サービスは、福祉関係の事業所が提供するサービスに限られ、日常生活で「ちょっと困った」を支援できる、例えるなら≪痒い所に手が届く≫社会資源を考えたり開発したりすることは、これまでほとんどありませんでした。

そのため、生活支援部会において多様な関係主体間の定期的な情報共有及び連携・協働による取組を推進する機能を持ち、行動していきたいと考えます。

また、生活支援サービスを整備・推進する茅野市は、介護予防事業の今後の地域包括ケアシステムの中核を担う地域包括支援センターの運営主体でもあり、その役割はとても大きなものとなっています。地域住民、市町村それぞれが協力をし合い、生活支援サービスの充実を図る必要があります。

更に、「総合事業の実施にあたっては柔軟な事業実施に心がけるとともに、子育て支援施策や障害者施策等と連携した対応が重要」という風に、高齢・介護施策のみを全面に出し、そのためだけに都合よく地域を活用するというよりも、総合的・包括的にまちづくりや生活支援サービスの充実を推進するといった視点での展開が必要とされています。

 

*部会でいただいた意見等

1)自動車運転免許証の返納者への対策について

○免許の更新時に認知症の有無について調べるため、疑いのある人は免許の更新ができないことが考えられる。また75歳以上の人は自主返納しなさいという指導のため、返納者が増える可能性があるが、茅野市は広くて公共交通もまばらなためどこにも行けなくなる。

○返納した場合に茅野市には返納者に対する特典がないため、市からの特典の制度を提案したい。

○返さない人は実際に車には乗っていないが、身分証明として使っている。返納を勧めるなら、身分証明を市で発行するなど考えていかなければ難しい。

○身分証明証の代わりになる写真付きカードを市が作成することを特典の一つに入れることも必要ではないか。

 

2)提供者リストの作成について

○茅野市全体で考えたときに地区によりあそこは100円でバスが乗れるのにこちらは200円、300円かかるという話が出ると不公平だという意見が出る。

○商売は金銭であるということをベースとして、雪かきを頼んだときに何平米でいくらということを示さないと頼むほうも困る。リストがあれば困っていることを聞いて、頼むところがしっかりして受渡しの話ができれば、マッチングをどこがやるかよりできる内容を精査しないとうまくいかない。

○茅野市全体で困っている人が使えるような業者。「困りごと相談所はここへ」のようにし、全市共通のリストを作成する。

○地域の人、もの、社会資源がわかってつないでいくのは、4層5層レベルの情報の共有と活用の仕方の工夫が必要になる。

○茅野市全体で共有できるもので、全地区で共通で使えるような業者が載せてあるリストを作る。

○市社協で困っている人たちの情報を吸い上げ、一元管理するよりも、地区の4層5層、公民館や10の地区で情報収集して管理し、地区で解決できないような問題を福祉21茅野や市社協に振ってもらい、適任者を紹介するほうがいい。

○地域によって違ってくるので全市的だと全部載せないといけないので、情報のリストの作り方は肝になる。

 

3)仮称困りごと相談員の任命について

○困ったと声を上げる人が誰に持っていくかというと地域の民生児童委員が把握しているのは間違いないと思う。キーになるマッチングの対象だと思う。

○マッチングは市社協ではなく地区に任せた方がいいという意見があり、区、常会、隣組などで援助を受けたい人を把握し、援助を提供したい人も区レベルでリストアップするのがいい。

○受け皿が民生児童委員だけでは困るので、情報の集合場所は民生児童委員にしても、いろいろな人たちが困っていないかという目で確認しながら、困っていることは民生児童委員につないでいくことが大事。

 

4)便利帳の作成について

○地域の住民がやったほうが早い、効率がいい。地域の方のほうが地域の方の情報をわかっていてコーディネートできる。

○便利帳も作るだけで満足するのではなく活用ができているかどうかを追えていない。作ったことによって利用が伸びたということはない。作るだけではなく、活用してもらう。その後のフォローアップを考えていけないといけない。

○地域で作成するのは一番見えていい。いろんなサービスを利用して両方が潤うようにするのはどこが音頭をとるのか。地区だと思う。4層5層6層の人たちがやりたい方向性を出して、提供できる側は無償から有償、企業も含めて層を厚くして、受けたい人が選択する。選択が可能な情報をリストアップする。

○便利帳の広報がどこまで浸透するのかが鍵である。作るのは簡単だが、出しても利用者が少ない、広報しても知っている人が少ないことが多々ある。困っているけど自分からは言えない、地域にあってもお願いできない人がたくさんいる。困りごとがありますかと聞いても言わない。相談窓口として行くとお節介がられてしまう。福祉政策も営業的な感覚でもっといきいき暮らせる誰もが住みやすいまちを作ろうというプランの理念の中にあるので。便利帳の教育、広報の仕方が重要。

○作ってもデータの更新が大事。大枠となるものは全市版でいいと思う。あとは地区ごとでできることを分けて作るのがいい。

○一般的な公共のものは、まずはみんなが知りえたものをとりあえず出して、徐々にステップアップして便利帳を改善していく。その地域にあったやり方で改善していくのがいい。

○泉野、金沢のように進んでいる地域や、ない地域もあるので、市民全員に同じサービスの投げかけが重要だと思う。

○援助を受けたい人は何を受けたいのか、援助をしたい人は何ができるのかのリストが出て、頼むほうも表になれば見える化でわかりやすい。困ったことがあったら言ってと言われても、できる体制を作らないと絵にかいた餅になる。

 

5)共通項目

○移動

・公共交通(路線バス)は使いづらい、便数も少なくて時間も合わない。午前中2本、午後2本でまちに出かけても帰るまでに1時間以上待たなければいけない。

・認知症などによる自動車の免許の更新ができずに返納した場合、移動手段が限られる。メリットについて検討。

・個人営業の介護タクシーは、市のタクシーチケットの利用ができない。

○買い物

・地域で買い物、送迎の要望があるが対応できていない。

 

6)その他

○茅野市の便利帳に車いすで入れる店のリストがあるといい。

○アンケートを基に何かを組み立てると意外と失敗するケースがある。

○区で情報を収集して解決ができればいいが、そういう区ばかりではないので先進的な区の情報を広めていく必要がある。公民館報や広報ちの、やらざあなどに事例を入れて公開していく必要がある。

 

*これからの取組について

今後、生活支援部会では、主に4つの項目について議論を進めていき、具体的な活動や内容についても検討していきながら必要な提言を行っていきます。

 

1)自動車運転免許証の返納者への対策について

1 行政

・自動車運転免許証自主返納者への支援策を考える

・写真付きの身分証明書の発行を行う

 

2)提供者リストの作成について

2 関係機関

・市社協が、茅野市全体で困っている人が使える企業、有償・無償のボランティアのリストを作成・管理を行う

 

3)仮称困りごと相談員の任命について

3 地域住民

・提供者リストを使用して、地域で困っている人の相談やマッチングを民生児童委員、福祉推進委員、地区社協、地域の人、隣組が行う

 

4)便利帳の作成について

4 地域住民

・区単位で地域の特色を生かした便利帳の作成・管理を行う